札幌

北海道民が「First Love 初恋」を観て土地勘シグナルが暴走して余計なことを考えてしまった話

誰かが言った”人生はまるでジグソーパズルだ”と。

満島ひかりさんが演じる"也英(やえ)"の語りで始まるNetFlixシリーズ「First Love 初恋」。国内外問わず、かなりの話題作ですね。

「恋愛ものでしょ?まあ、観てみるけども。北海道が舞台だし。」と思いながら観始めました。

僕は北海道民なので。北海道民は北海道が大好きなんですね。

いいドラマすぎて、気が付いたら9話まで完走してしまっていました。あっという間に見終わった。本当に9話もあったんだろうか…?

宇多田ヒカルさんの「First Love」、「初恋」の2曲からインスパイアされたストーリー。満島ひかりさん、佐藤健さんのW主演。北海道を舞台にした美しい景色。どれをとっても最高でした。

NetFlixで韓国ドラマばかり見ていたこと、大変反省しております。

ドラマとしては大満足なんですが、ただ一つ、これだけは気になるという点がありまして…

それは、北海道ネイティブだけが感じ取れる、ドラマの世界の空間のゆがみ。

ストーリーと関係ないことを考えたくなくても、撮影場所がわかっているだけで気になってしまうんですよね。
無意識に。It's automatic.

このような、撮影地がわかってしまうがゆえにドラマのシーンの矛盾に気づいてしまう能力を"土地勘シグナル"と名付けます。

北海道のマップを頭の中に展開できる人ほど、土地勘シグナルが働き、ドラマを見ながら混乱してしまうのです。

「あれ?そこからそこはどう考えても走っていける距離じゃないよなあ…」と要らぬ考えが頭をよぎります。

離れた距離をいとも簡単に移動する主人公が”どこでもドア”を使っているかのように見え、その瞬間、没入していたドラマの世界から現実の世界に引き戻されてしまいます。

北海道民のみなさんは、「こんなことなら、北海道の土地勘なんかなければよかったのにぃ!純粋にドラマを見させてよ!こ、こんな能力さえなければ…」と思った事でしょう。

どのシーンで土地勘シグナルが働いたのか、具体例を交えて説明します。

1話の03:00あたりで、タクシー運転手の也英がロータリーを運転しています。このロータリーは旭川にあります。

そして、旭川常盤ロータリーを運転中の也英に対して、同僚から無線が入ります。

「狸小路(たぬきこうじ)3丁目入り口で オカダ様 お願いします。」
狸小路ってのは、札幌にある商店街です。

ここで、我々の特殊能力"土地勘シグナル"が発動します。

土地勘シグナルが発動した我々の脳内では、このようなルートが描かれます。

旭川から札幌までは約140km。車で2時間程度かかります。

我々の頭の中では、狸小路でオカダ様を2時間待たせることになってしまいました。オカダ様、行き先はわかりませんが、バスか地下鉄に乗りましょう。

もう一つだけ事例を紹介します。
3話の25:00あたり、「それが運命か知りたかったら、飛び込んでみるしかないよ」と綴(つづる)くんに言い残して、晴道が走り出すシーン。

コインランドリーにいる也英のもとへ走っていくんですよね。

走り出した時のスタート地点は、「フーズバラエティすぎはら」というお店。

そのあと、晴道は札幌のランドマーク「テレビ塔」を横切ります。

テレビ塔から次のシーンに切り替わると、「幌平橋」という橋が映ります。

幌平橋から也英がいるコインランドリーにたどり着きます。「Baluko Laundry Place 東苗穂店」です。

ここで、我々の特殊能力"土地勘シグナル"が発動します。


またまた我々の脳内では、リアルなルートが描かれます。

4つの地点を結ぶと、距離にして14.5km徒歩で3時間かかります。「るろうに剣心」で鍛えた佐藤健さんの脚力が光りますね。

この距離のダッシュは、常人に真似できるものではありません。低い姿勢で素早く移動したのでしょう。

一直線にコインランドリーに向かうのではなく、幌平橋を経由して物凄く遠回りしていることに気づいてしまったら、もうストーリーは頭に入ってきません。

 

他にも、「中島公園(札幌)までお願いします」とタクシー運転手に伝えた直後に、例の旭川のロータリーにワープする、みたいな土地勘シグナル暴走シーンはありましたが、これ以上は野暮なので終わりとします。

皆さんも、自分が良く知っている場所で撮影された映像作品に対して、土地勘シグナルが発動してしまうことがあるのではないでしょうか?

ドラマの中で、象徴的なランドマークや動画に映えるスポットをつなぎ合わせるためには仕方ないことなんですよね。わかってはいるんですが、気になりだすと止まらない。

実際の位置関係等が改変されていても、それもドラマの味だと思って気にしないようにしたいですね。
あ、味ではなく、flavorと言っておきます。