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映画「ジョーカー」間違いなく2019年の代表作!|アメコミ映画史上、最も危険で魅力的なカリスマヴィラン

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映画「JOKER」の感想

どうも、アメコミが大好きな いむるた@imurutalog)です。

映画「JOKER(ジョーカー)」を鑑賞してきました。

鑑賞後、”観て良かった””見てしまった”が混在する、不思議な気持ちになってしまいました。

映画を観たというより、

・凶悪殺人事件の一部始終を見た

・犯罪者の心理の変化を、目の前で目撃した

こんな表現が似合う映画です。

コメディアンを目指している心優しい主人公アーサーが、終盤にむけてどんどんと殺人に狂っていく様子を、非常に残酷に、そしてリアルに描いています。

誰でもジョーカーになる可能性があるんじゃないか?

そう思ってしまいます。

何人もの人間を無残に殺害していくアーサーに対して、なぜか感情移入してしまう。

「アーサー、今までつらかったもんな。」

「こんな世の中のほうがおかしいよな」

そんな風にすら、一瞬思ってしまうんですね。

人々を惹きつける「ジョーカー」の魅力。いかにして、何ものでもない男が悪魔のような犯罪者になったのか。

以下、ネタバレを含む感想を書いていきます。

「突然笑ってしまう奇病」~どこまでも報われないピエロ 

今回の主人公アーサー(のちのジョーカー)は、「突然笑ってしまう」という病気を、元からもっています。

ジョーカーになる前から、普通の人ではないんですね。

なにをしていても、全くおもしろくなくても、

「アッハッハッハ~、ヒャッヒャッヒャッ」と爆笑してしまう。

周りの人からは白い目で見られ、時には「笑ってんじゃねえよ」と街の人間から暴行をうけることも。

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涙を流し、無理やり笑うアーサー

生きているだけでつらいんですよ。

笑い病を持ちながらも、コメディアンの夢を追い続け、ピエロのバイトで食いつないでいるのが、アーサー。

観たらびっくりしますが、映画の最初からピエロメイクです。

泣きながらピエロのメイクをするシーンではじまり、「今回のジョーカーはなんか違うぞ…」と、一気にアーサーのストーリーに入り込んでしまいました。

フィクションに感じないほどリアルな富裕層と貧困層の格差

お金持ちの政治家が「金持ち優遇政策」を進め、貧困層との格差は開くばかり。

街中ゴミだらけのスラム街が、今回の舞台「ゴッサムシティ」 

アーサーは、年老いた母親と貧しい二人暮らし。

笑い病をおさえるための薬を病院からもらい、福祉政策の一環でカウンセリングを受ける日々でしたが、その福祉すらも、新政策で打ち切りになってしまうんですね。

これ以外にも、アーサーを追いつめる要素はかなりあって、終盤での爆発に繋がってきます。

つらすぎる仕打ちを受け続け、爆発するアーサー

この映画は、鬱展開がマジでず~~っと続きます。

最初のほうは反撃せずに、ただやられっぱなしなんですが、タガがはずれて狂気に満ちてからは、バンバンやり返します。

見る人が見れば、「もう観てられない」と席を立ってしまうかも…

・ピエロとして働いているときに、持っていた看板を少年たちに奪われ、追いかけるとリンチされる。(ここでは反撃なし)

・ピエロの同僚に拳銃をわたされ、拳銃の所持がバレて仕事をクビにされる(拳銃を渡してきた同僚は、はさみで刺しまくった)

・電車の中で笑ってしまい、暴行を受ける(銃で反撃し、3人殺害)

・面倒を見ていた母親が、実は精神異常者だったことが発覚。昔、虐待をされていたことで、自分もおかしくなってしまったことを知る(入院中の母親を窒息死させる)

・憧れていたコメディアンに馬鹿にされ、テレビでさらされ、市民の笑いものにされる(生放送中に銃で殺害)

やった行為だけ見れば、残虐であることには間違いない。

ですが、やられてきた悔しさをずっと見せられているので、どこかに共感できる部分もある。

ここが、今までのジョーカーと全く別ものなんですね。

誰だかわからない変な奴が突然現れて殺人しまくる、とかそんなんじゃないのが今作の鳥肌が立つ部分です。

「心に不満を抱えている貧しい人々なら、みんなジョーカーを支持してしまうのではないか?」

そんな風に思わされます。

”普通の人が堕ちた最悪の成れの果て”という感じ

妄想のシーンと現実のシーンがシームレスに繋がる

アーサーは精神病を持っており、妄想のシーンがかなり多いです。 

アーサーのお笑いのネタ帳に「心に病を抱えた人間にとって怖いのは世間の目」という言葉が書いてあります。

現実逃避をしなければやってられないわけですね。

この映画でおもしろいのは、どこまでが妄想だったのか、どれが現実に起こったことなのか。

この考察を語り合うのが楽しい映画ですよ!

今作のジョーカーは一般人を闇に連れ込む最強ヴィラン

アメコミの敵って、だいたいそいつを倒せばコトはおさまるんですよね。

それが今回は違うんですね。

ジョーカーを支持した貧困層の一般市民たちが、火炎瓶を投げ込み、車を壊し、暴徒化する。

ジョーカーを崇拝し、町全体が火の海になる。

特別な能力を一切持っていないのに、ジョーカーのカリスマっぷりだけで町をぶっ壊してしまう恐ろしさ。 

実際にアメリカでは、ジョーカーに影響を受けて銃乱射事件などを起こさないように、警備を厳重にしているそうです。

メンタルが不安定な人や、現状に不満を持っている人が、一気に闇落ちしてしまうような魅力が、この映画にはあります。

人におすすめしたいけど、そのあとのことは責任がとれないので、気軽に人におすすめできない映画ですね…

 

健康な精神で観に行って、半日放心状態でした。

ジョーカーは、覚悟して観に行ってください!

胸にズッシリきますよ…

 

今年のハロウィンはジョーカーだらけになるんでしょうね!w 

他にも映画の感想記事を書いています。気になったら読んでみてください! 

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