
「袋いらないです。」
「クイックペイでお願いします。」
「レシートいらないです。」
「テープでお願いします。」
「クイックペイで」
「レシート不要です。」
毎日のようにコンビニで唱えている。
「袋、レシート不要、クイックペイ支払い」
もう、こういう文言のステッカーを作って、おでこに貼っておこうかと思うくらいに、セリフが定型化している。
キャッシュレスより、ショッピングバッグレスを推進したい。語呂が悪い。
買うものは、だいたい下の候補の中にある。たいていは、1回の会計で1個しか買わない。
・ヨーグルト1個
・ペットボトルの飲み物1本
・1本満足1本
袋がもったいないレベルの小さな買い物しかしない。
だから「袋いらないです。」のセリフは、絶対にキメたい。これが決まればこっちのもん。
ところが、うまくいかないことが結構ある。
サイドンの「つのドリル」くらい命中率が悪い。なかなか一撃でしとめられない。
僕「袋いらないです。」
店「〇〇円です。」
僕「クイックペイで」
あの機械「クイックペイ♪」
店「ありがとうございました~」
僕「あ、ありがとうございます…(袋に入った商品を見つめながら)」
こうなってしまう。
今、「それな」と思った人もいると思う。
何度もレジを打っている店員さんは、オペレーションが染みついているから、袋に入れるまでの動作は無意識に行ってしまうのかもしれない。
わかる。自分もバイトでレジ打ちをしていたので、身体が動いてしまうのはわかる。
店員さんがレジ袋をとろうとしたときに「ちょっと待った~!!!!!」と言わんばかりに、「あ、すいません、袋いらないです。」を言い放つ作戦もありかもしれない。
でも、今から商品と袋がともに同じ道を歩もうとしているのに、自分がそこに割り込むなんてできない。
結婚式で「ちょっと待った」と割り込んで新婦を連れ去るみたいな強引さを感じちゃう。
さらに、店員さんの「かがむ」 という1アクションを殺してしまう。
「死にオペレーション」を加算することになり、店員さんの体力を減らしてしまうことは避けたい。
店員さんのすばやさが高い場合も、対応が難しい。
高確率で負ける。
なにごともなかったかのように、袋に商品が吸い込まれていくのを何度も見た。
レジ袋は、「どうせ、私なんかすぐ捨てるんでしょ」みたいな顔をしている。つらい。
26年生きてきたが、いまだに「袋いらないです。」の必勝法は見つからない。
人類の永遠のテーマに思える。
AmazonGoとか、無人コンビニの類が浸透するまでは、この悩みは尽きないのかもしれない。